コードバンのお手入れについて
コードバンのお手入れ、コードバンのメンテナンスについて
有限会社レーデルオガワの専務取締役兼、皮革系YouTuberのHIDEKIがお送りする
革のお手入れ初コラム「コードバンのお手入れ講座」。
コードバンはデリケートで取り扱いが難しいんでしょ?
お手入れ方法がいくつもあって複雑で大変そう、、、、
そう思われてる方は非常に多いのではないでしょうか?
そんなあなたにお届けする「コードバンのお手入れ講座vol.1」。
じつはちょっとした部分を理解するだけでコードバンのお手入れはとても簡単に行えるのです。
「アニリン染めコードバン」の超簡単なお手入れ方法をご紹介いたします。
-目次-
1. アニリン染めコードバンとは?
2. コードバンのお手入れ方法に色々な種類があるのはなぜ?
3. アニリン染めのツヤを最大限に引き出すお手入れとは?
4. お手入れに必要な道具は最低で三つ!?
5. 実際のお手入れ方法
1. アニリン染めコードバンとは?
革のダイヤモンドと言われているコードバン最大の魅力は宝石のように鋭い独特のツヤにあります。これは馬の臀部に形成されるコードバン層というコラーゲン繊維を圧縮させて生まれる革本来のツヤに起因しているのです。
コードバンのアニリン染めとは有限会社レーデルオガワが考案した高難度の染色技術で、彩度の高い塩基性染料と手作業で丹念に圧縮させたコードバン繊維を用いて革本来のツヤのみで宝石のような風合いを楽しめる染色方法のひとつで、現在では多くの日本製ブランド商品に使用されている定番の素材となっています。
2. コードバンのお手入れ方法に色々な種類があるのはなぜ?
革のケア・メンテナンス商品には非常に多くの種類がありますよね、どれを買ったらよいか分からずに悩まれる方も多いはず、、、そんなあなたに朗報です!
その悩みを解決させる一番の近道は「表面の仕上げを把握する」ことなのです。
コードバンだけでも表面の仕上げ方法はおおまかに分けて3種類もあります、その特性を理解しておくことで適切なケア商品を使用してお手入れをすることができるようになるのです。
3. アニリン染めのツヤを最大限に引き出すお手入れとは?
アニリン染め最大の特徴はコードバンの繊維を極限まで圧縮しているところにあります。この圧縮された状態を保ちつつ革の保湿をしっかりと行えれば鋭いツヤを維持・向上させるお手入れが可能となります。
重要なポイントは使用するワックスの成分と使い方。もともと輝きが強い状態となっているので、その圧縮をほどかないイメージが大切です。
コードバンのコラーゲン繊維は絡まずに縦に並んでる状態です、この縦の繊維を横に寝かしつけ圧縮させているので、ここに液体を垂らすと寝ている繊維が起き上がってしまい圧縮がほどけてツヤが無くなってしまいます。
そのため出来るだけ水分と油分の少ない固形ワックスなどを使用し表面に刺激を与えないように革を保湿することで、元の状態を維持しつつ日常使いの摩擦などでツヤが増していくのです。
4. お手入れに必要な道具は最低で三つ!?
ここまで詳しい内容をお伝えしてきましたが、実際にお手入れで使用する道具は下記のたった三つだけ!!
・ケアワックス(水分・油分の少ない固形タイプ)
・ケアクロス(余分なワックスをふき取り空拭きするための布)
・空拭き用クロス
基本的にはこの三つだけでOKです!
※ここにコードバンケアワックスの販売リンクをつける※
その他、、、
・表面の余分な油や汚れを落とす(クレンジング用品)
・ステッチ周辺の汚れ落とす(柔らかいケアブラシ)
などを使用してもよいかと思います。
実際のお手入れ方法
「Step1」
ケア前に表面のホコリやゴミをしっかりと払う。
※クレンジング用品やブラシはここで使用します※
「Step2」
指の腹でケアワックスを溶かしながらコードバンの表面に薄く塗り広げる
※対象物が大きい場合は柔らかい布を指に巻き付けてワックスを塗り込むと短時間で行えます※
「Step3」
5分間そのまま置いておき、ワックスの油分をしみ込ませる
※最後にケアブラシでステッチ周りを擦ると見た目がキレイに仕上がります※
「Step4」
ケアクロスで表面に乗っている余分なワックスをふき取る
※このとき、力を込めずに優しく拭き上げて下さい※
余分なワックスが取れたら空拭き用のクロスでさらに拭き上げる
※優しく素早く拭き上げて表面に残ったわずかな蝋分を溶かして薄い膜を作るイメージ※
お手入れした商品を斜めから見て心の中でニヤニヤしたら完成!!
※コ―ドバン層を観察するには斜めから見る事が必須条件です※
-まとめ―
以上がアニリン染めコードバンのお手入れ方法になります、いかがだったでしょうか?
コードバンの繊維を寝かしておく、このことだけ考えておけばどの様にお手入れを行っても大丈夫です。
また、ワックスの塗りすぎによって表面が曇ってしまっても時間の経過とともに油分が革に吸収されて表面の曇りは徐々に無くなります。
コードバンを製造している私でさえやっていることは塗って空拭きの2つだけ、仕事の合間や休日の就寝前などでも手軽に簡単に行えますので、このコラムを読んでコードバンの難しそうなイメージが少しでも払拭されましたら幸いです。
次回は「コードバンのお手入れ講座Vol.2」、オイルコードバンのお手入れ方法について解説いたします。